
県自治体代表者会議で話す佐竹知事(中央)=秋田市山王4丁目
「なぜ減反に従ってこなかった大潟村のペナルティーを、他の市町村がかぶらなければならないのか」――。今年産の生産数量目標の市町村別の配分方針について、大潟村などへのペナルティー全廃が決まった18日、県内では自治体や農業関係者から不満の声が高まった。佐竹敬久知事は方針転換を「苦渋の決断」として減反派農家に理解を求め、これまで具体的な指針を示してこなかった国への不満をあらわにした。
(斉藤寛子、中里友紀)
配分についての農水省の考えを公文書で求めていた佐竹知事には18日、「(ペナルティーとして科した)公平性確保措置の5216トンについて、平成22年産米の生産数量目標の配分において、これをすべて解消する」と記された文書が届いた。更に、「反する場合は事業の実施について国民一般の理解が得られない」とも書かれ、佐竹知事は「県全体が大きな不利益を受けることを避けたい」。ペナルティーの3分の1を削減するとしていた方針を転換し、全廃を決めた。
県水田利用課が発表した各市町村の生産数量の増減率は、大潟村などを除く22市町村で平均2・4%減、大潟村では18・2%増となった。
佐竹知事がペナルティーの全廃について説明したこの日の県政協議会では、自民党県議から方針転換について不満の声が相次いだ。同党の能登祐一幹事長は、「今になって文書で指示を出すのは、営農計画を立てるぎりぎりの時期に札束でほおをぶつようなやり方だ。一般の農家は納得できない。農水省の強権的な姿勢は国会で追及していくしかない」と話した。
同日開かれた県自治体代表者会議では、国への提言を盛り込んだアピール文に、急きょ、戸別所得補償モデル事業に関して国の説明が不十分だったなどとして文言を加筆し、採択した。
意見交換で、県米政策推進協議会員でもある県町村会の斎藤正寧会長(井川町長)は、新制度への国の説明不足を指摘。協議会では国側と、議論がかみ合わなかったとして「現実的に制度設計が追いついていない」と話した。
各市町村に対し、今年産の各市町村への生産数量目標について説明した市町村担当課会議では、参加者から「理解はするが、納得はできない」とする声が上がった。
出席した大潟村の高橋正行・産業建設課長は取材に対し、「ペナルティーに関して、大潟村以外の市町村には大変な迷惑をかけた。新制度を期に、減反に参加する農家を増やし、これまでの村内の対立を解消する絶好のチャンスとして生かしたい。9割の農家が参加してもらえるよう、努力していきたい」と話した。